第6回 WordPressにはないa-blog cmsのメリット
mintcode 笠谷 亜貴子さん
このシリーズは、WordPressユーザーに向けた a-blog cms の入門記事です。もともとWeb制作でWordPressを使っていて最近 a-blog cms を使い始めたユーザーに書いていただきました。世界的シェア率も高く無償で利用できるWordPressではなく、有償の a-blog cms を選ぶ理由とは…?
本連載は6回シリーズでお送りする予定です。
シリーズ: WordPressユーザーのためのa-blog cms 入門
WordPressユーザーの皆さんこんにちは。このシリーズもいよいよ最終回となりました。今回は、今までの内容の振り返りを兼ねて、a-blog cmsのメリットについてまとめます。
運用、更新が簡単
まず第一のメリットとして、運用、更新が簡単であるという点が挙げられます。更新者のリテラシーの程度を問わず、ほとんど説明が不要なUIです。
第1回 積み木感覚で簡単にコンテンツを作成・更新できる「ユニット」で解説したユニットを使ってHTMLを意識せずにコンテンツを編集できます。さらに「ダイレクト編集」をオンにすれば表示画面から直接ユニットを編集することが可能です。
また、「第3回 柔軟なカスタムフィールド」でも解説した通り、管理画面のテンプレートもHTMLで構成されています。そのため、管理画面はHTMLとCSSの知識さえあれば自由にカスタマイズでき、更新者を迷わせないUIを作り込めます。
このようにa-blog cmsはそのままでも十分使いやすく、かつ案件に合わせた管理画面のカスタマイズが簡単です。
構造的な設計をしやすい
「第2回 階層性を持つ子ブログ、シンプルなカテゴリー」「第4回 URLの階層と一致しているテーマ&テンプレート」で解説したとおり、a-blog cmsでは子ブログ、カテゴリー、エントリーの関係はシンプルで、URL(パーマリンク)とも一致します。大規模なサイト、複雑なサイトでもサイトツリーにしたがって構造的な設計をしやすく、変更や拡張に強いと言えます。
PHPの知識は不要だが、あっても無駄にならない
テンプレートファイルはHTMLなので、PHPの知識がないデザイナーやコーダーでもとっつきやすいという点も魅力です。細かいカスタマイズを行うにはIFブロック、タッチモジュール、グローバル変数、校正オプションなどを覚えていく必要がありますが、モジュールのスニペット、カスタムフィールドのソースをコピー&ペーストしてカスタマイズしていくうちに自然と慣れてきます。
WordPressユーザーとしては「PHPを書く必要がない」と聞くと「細かいカスタマイズは難しいのでは?」と感じてしまうかもしれませんが、a-blog cmsを少し触ってみるだけでそうではないことがすぐに理解できます。また、PHPをベースにしたCMSなので、PHPの知識があればa-blog cms独自のテンプレートの書き方にもすぐに慣れることができるでしょう。更にPHPの上級者であればオリジナルモジュールや拡張アプリを自作することが可能です。
安全性が高いのでバージョンアップはしてもしなくても良い
制作者がPHPを書かないことにはセキュリティホールができにくいという利点があります。WordPressにおいてバージョンアップが必須なのはセキュリティを確保するためですが、a-blog cmsの場合バージョンアップは最新の機能が欲しい場合に行えば良く、必須ではありません。メンテナンスコストが低く、バージョンアップに振り回されることなくサイト本来の機能の充実にリソースを割くことができます。
プラグインを選ぶ必要がない
WordPressのバージョンアップ時に不具合を起こしているのはプラグインであることがほとんどです。WordPressにおいては似た機能のプラグインが数多く存在します。その中から使いやすく、将来性があり、セキュリティ面にも十分な配慮がありそうなものを時間をかけて選んだとしても、そのプラグインの開発が止まってしまえば再び選び直さなければならないことも少なくありません。
- フォーム機能
- 多言語機能
- 使いやすいカスタムフィールド
- エントリーやバナーの公開期間の設定
- OGPの設定
- 管理画面一覧の表示項目変更
- 詳細な検索
- 使用中のテンプレートファイル名の表示
など、WordPressではプラグインで実現されている機能は、a-blog cmsでは本体でもともと用意されていたり、簡単なカスタマイズでWordPress以上の機能を実現できることがあります。
ウェブ制作会社が開発している実用本位の国産CMS
a-blog cmsはバージョンアップを重ねるたびにますます「痒いところに手が届く」実用本位のCMSになってきました。開発元のアップルップルがウェブ制作会社でもあることが、その強みを支えています。
- コメント機能がデフォルトではオフになっている
- お問合せフォームやお知らせ、会社概要などを含む標準的なコンテンツが登録されている
- エントリーのファイル名(スラッグ)がデフォルトでは「entry-{ID}.html」であり、必要に応じて変更することができる
など、細かいところもすべてコーポレートサイトの制作スタートに最適化されています。国産なので、テンプレートファイルのコメントもドキュメントもすべて日本語で分かりやすく、和暦などの日本独自の文化にも対応しています。
開発者と制作者の距離が近い
私たち社外の制作者と開発元のアップルップルをつなぐコミュニティも充実しています。
毎年5月と11月に開催されるTraining Campにはさまざまなレベル、さまざまな年齢、さまざまな立場のa-blog cmsユーザーが全国から集まります。Training Campは事例の発表をしたり聞いたり、ハンズオンに取り組んだり、質問をしたり、制作者側からの要望を伝える場になっています。WordCampに比べると規模はたいへん小さいのですが、その分開発者と制作者との距離は近く、制作者同士によるヒントの交換も活発です。
Training Camp以外にも、オンライン勉強会や各地で開催される勉強会もあります。FacebookやTwitterなどで情報を受け取って、ぜひ参加してみましょう。
まとめ
6回に渡ってWordPressユーザーを対象にa-blog cmsの基本をお伝えしてきたこのシリーズ、お読みいただいてありがとうございました。a-blog cmsを勉強し始めてから1年に満たない私自身、仕事に大きな変化が出てきています。私たち制作者の目的はCMSそれ自体ではなく、その先のウェブサイト制作をより良いものにすることにあります。CMSはそのためのツールに過ぎないからこそ、複数のCMSを比較してより目的に適ったものを選んでいくことには大きな意味があります。a-blog cmsに興味を持ったなら、まずは ablogcms.io でテスト環境を用意し、初心者向けのハンズオンをやってみることから始めてみましょう。
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この連載の著者について
mintcode 笠谷 亜貴子
WordPress歴はかれこれ10年ほど。a-blog cmsは2017年の夏、勉強会で知りました。フリーランスでCMS構築、コーディングをやっています。美容師にそそのかされて前髪を短く切ってしまいました。
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