a-blog cmsで始める多言語サイト構築:2つの管理方法

グローバル展開や国際的なアクセス対応を考える際、多言語サイトの構築は避けて通れません。かつてはGoogleの提供する翻訳ウィジェットを利用することで簡単に英語版サイトを提供できる時代もありましたが、現在ではそれに代わる選択肢が必要です。Chromeに翻訳機能が搭載されているものの、翻訳された内容は検索エンジンにインデックスされません。つまり、英語で検索する海外ユーザーには日本語サイトの存在が見えないという問題があります。
その解決策として、言語ごとに明確に分離されたURL構造(例: https://www.appleple.com/ と https://www.appleple.com/en/)を持つ多言語サイトの構築が必要です。a-blog cmsでは、このような多言語対応をシンプルかつ柔軟に実現できる機能を提供しています。
多言語サイト構築の基本的なアプローチ
a-blog cmsを使用して多言語対応サイトを構築する際、主に以下の2つの方法があります。
- 日本語・英語を1つの記事に併記する
- 日本語・英語を別の記事として管理する
さらに、言語の追加も柔軟に対応可能で、3つ、4つと増やしていくことも容易です。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
1. 日本語と英語を1つの記事に併記する方法
この方法では、1つの記事内に複数言語を併記します。たとえば、同じエントリ内で日本語と英語を切り替えるような構成です。以下のような特徴があります。
メリット
- 管理の一元化:1つの管理画面内で複数言語を扱えるため、言語ごとに分ける手間が不要です。
- 修正のしやすさ:日本語の記事を更新した際、同じ場所で英語版も編集できるため、更新漏れや不整合のリスクが軽減されます。
- 統一感のある構造:エイリアス機能を使い、ブログIDを共有しつつURLを切り替えることで、同じカテゴリーやエントリのテンプレート設定を簡単に調整できます。
推奨される利用シーン
- 日本語と英語でほぼ同じ分量・内容の記事を提供する場合。
- 記事の対応を逐一確認しながら運用したい場合。
2. 日本語と英語を別々の記事として管理する方法
こちらの方法では、日本語用の記事と英語用の記事を完全に分けて運用します。それぞれ独立したブログ、カテゴリー、記事として管理されます。この構成の特徴は次の通りです。
メリット
- 柔軟な運用:日本語と英語で記事公開の頻度や内容が異なる場合にも対応可能です。たとえば、日本語の記事が月に10件、英語が2~3件程度の場合や、英語の記事のみを単独で公開したい場合に適しています。
- 独立性の確保:記事ごとに完全に別の運用ができるため、各言語のコンテンツに特化した運用が可能です。
自動翻訳の活用
プロフェッショナル以上のライセンスを利用している場合、Google翻訳APIを使って日本語の記事から英語記事を自動生成するオプションも利用可能です。この機能を活用すれば、翻訳作業の手間を軽減しつつ、一定の品質を保ったコンテンツ提供が実現します。
推奨される利用シーン
- 各言語のコンテンツ量や更新頻度に大きな差がある場合。
- 特定言語の記事が他言語の影響を受けず独立した運用を求められる場合。
具体的な運用事例
a-blog cmsで多言語サイトを構築する際、以下のような運用事例が考えられます。
観光情報サイト
観光地情報を提供するサイトで、海外旅行者向けに英語版のページを用意。日本語と英語を1つの記事に併記し、カテゴリごとに情報を整理。
企業コーポレートサイト
日本国内向けの情報を日本語で、海外向けには英語や中国語の情報を個別の記事として管理。それぞれの言語で必要な情報量が異なるため、独立したブログとして運用。
ECサイト
製品情報ページを多言語対応。製品詳細は日本語と英語を併記し、プロモーション用のブログ記事は言語ごとに独立運用。
まとめ:どちらの方法を選ぶべきか?
a-blog cmsでの多言語サイト構築は、運用スタイルや目的に応じて柔軟に選択できます。
- 統一感と手軽さを重視するなら、1つの記事に言語を併記する方法がおすすめ。
- 柔軟性と独立性が求められる場合は、言語ごとに別の記事として管理する方法が最適です。
いずれの方法でも、a-blog cmsの機能を活用することで、効率的かつ効果的な多言語サイトの運営が可能です。サイトの目的やターゲットに応じて最適なアプローチを選び、グローバルに通用するサイト作りを目指しましょう。

ウェブ制作会社アップルップル代表。2000年に日記のCGIを公開、2004年にはブログを開発。四半世紀にわたりWebサイトを更新するシステムに関わり続けてきました。自社開発CMS「a-blog cms」は5,000サイト以上で採用され、現場視点のUI改善や勉強会の開催にも取り組んでいます。
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在庫管理も簡単!a-blog cmsで始めるECサイト構築
近年、ECサイトを構築する際の主流はクラウド型のECシステムを利用する方法です。代表的なサービスとして、「Shopify」「STORES」「BASE」「カラーミーショップ」などがあります。これらは無料プランも提供していますが、カード決済手数料やシステム利用料が割高になる点が課題です。 一方で、運用コストを抑えながら、カスタマイズ性や柔軟性を求める方には、a-blog cms を活用したECサイト構築がおすすめです。特に、既にa-blog cmsで公式サイトを運用中の場合、追加費用なしでECサイトを子ブログとして展開できます。 a-blog cmsでできること a-blog cmsでは、在庫管理やカード決済をはじめ、ECサイト構築に便利な機能を提供しています。以下にその主な機能をまとめました。 1. カート機能 ショッピングカートへの商品の追加や削除、追加した商品の数量の更新など、基本的なショッピングカート機能を利用できます。1エントリーを1商品として扱います。 2. クレジットカード決済機能 カード決済サービス「Square」と連携し、クレジットカード決済機能を利用できます。カード情報は決済サービス側で管理されるため、安全に導入できます。 3. 在庫管理機能 商品の在庫管理を自動化する機能です。利用者が在庫数以上の商品をショッピングカートに追加したり、決済してしまうトラブルを防ぎます。 4. 税金設定機能 軽減税率・消費税区分・税計算方式・税計算端数処理の設定ができます。 5. マイページ機能 オリジナルデザインのマイページを用意できます。会員情報(読者権限を持つユーザーの情報)の閲覧・変更が可能です。 6. 配送・送料設定 サイズや重量に応じて配送方法や送料を設定することができます。送料は地域別に設定可能です。 在庫管理の重要性 ECサイトの在庫管理とは、オンラインで販売する商品の数量や状態を管理することを指します。 在庫管理は、ECサイト運営の成否を分ける重要な業務です。表には見えにくい業務ですが、適切な在庫管理は経営の安定に直結します。ただし、在庫管理は非常に煩雑で、特にオンラインショップではリアルタイムでの対応が求められるため、大変な負担となりがちです。 そのため、正確さと効率を両立させるための仕組みを導入することが重要です。 a-blog cmsによる在庫管理の利点 a-blog cmsの在庫管理機能を活用すれば、以下のようなトラブルを防ぐことができます。 在庫切れ商品が購入されるミスの回避 在庫数の把握漏れによる販売機会の損失 在庫管理を自動化することで、運営負担を大幅に軽減でき、効率的かつ正確な在庫管理が実現します。 a-blog cmsで商品を販売するメリット 1. 関連情報を活用してサイトの回遊率を向上 a-blog cmsは、カテゴリーやタグ、関連エントリー、カスタムフィールドといった基本機能を活用することで、商品に関連情報を簡単に紐づけることが可能です。この仕組みにより、閲覧者が興味を持ちそうな商品情報を自然に提供でき、サイトの閲覧数や滞在時間、さらには回遊率の向上が期待できます。 2. 自由自在なレイアウト・カスタマイズ HTMLとCSS、そしてa-blog cmsの基本的な操作を理解していれば、商品ページや決済ページを自由にカスタマイズ可能です。普段からa-blog cmsを使ってサイトを構築している感覚で、直感的にページをデザインできます。一部、カートボタンや決済ページではJavaScriptを使用していますが、それ以外の多くの部分はシンプルに編集できます。 ECサイトテーマの内容 簡単セットアップを使用すれば、a-blog cms、拡張アプリ、テーマをまとめてインストールできます。詳しくはインストール方法をご参照ください。 Shopping Cart 拡張アプリ カート機能・カード決済サービス「Square」との連携・在庫管理を行える拡張アプリです。軽減税率への対応、送料、追加手数料などのオプションを設定できます。 ECサイトテーマ 必要なモジュールが予め搭載されており、商品情報を登録するだけですぐにECサイトを始められるテーマです。Shopping Cart 拡張アプリを使用したECサイト制作にご利用ください。 ※詳しくは、カード決済に対応したECサイトを構築しよう のページをご参照ください。 さらに、Adobe XD形式で提供される無料のデザインファイルを活用すれば、テーマのカスタマイズがより簡単に行えます。 費用について a-blog cmsはインストール型CMSで、サーバーとドメインを用意する必要があります。また、a-blog cms のライセンス費用が別途必要です。ただし、ECサイトテーマとデザインファイルは無料で利用可能です。カード決済を利用する場合、手数料は3.6%~となりますが、初期費用や月額費用がかからない点は大きなメリットです。 まとめ a-blog cmsを活用すれば、在庫管理をはじめとする重要業務を効率化しつつ、低コストで機能的なECサイトを構築できます。在庫管理の煩雑さを解消し、運営をスムーズにするための強力なツールです。 ぜひ、a-blog cmsを活用して在庫管理も簡単なECサイト運営を始めてみてください!

a-blog cmsの属性別表示機能とは?閲覧者に合わせたコンテンツの最適化
a-blog cms の「属性別表示機能」は、ウェブサイトを訪れる閲覧者の属性や行動に応じて、表示する情報を動的に変えることができる便利な機能です。この機能を活用すれば、閲覧者一人ひとりに最適化されたコンテンツを提供でき、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることが可能です。特に、パーソナライズされた情報を必要とするサイト運営において強力なツールとなります。 属性別表示機能の仕組み この機能の核となるのが、「ルール」と呼ばれる設定です。ルールでは、閲覧者の情報をCookieの値として保持し、それに基づいて以下のような動的な変更が可能です。 システム設定の変更 モジュール設定の切り替え テンプレートの変更 さらに、ページキャッシュを分ける仕組みにより、同じURLでも異なるページキャッシュを生成でき、動的コンテンツの表示負荷を軽減します。これにより、高いパフォーマンスを維持しつつ、閲覧者ごとにカスタマイズされたページを提供できます。 属性別表示機能の活用例 この機能の柔軟性を活かすことで、さまざまなシナリオでの活用が可能です。以下に代表的な事例をいくつか挙げます。 性別や地域に応じたコンテンツの最適化 例えば、男性向け・女性向けの商品バナーを切り替えたり、閲覧者の地域情報に基づいてローカルイベントや店舗情報を表示することが可能です。通常、性別や地域などの情報を知るのは難しいですが、問い合わせフォームなどを通じて取得したデータをCookieに保存することで、こうしたカスタマイズが実現します。 アクセス回数に応じた表示変更 閲覧者の訪問回数に応じて表示内容を変えることもできます。 初回訪問者には、ウェルカムメッセージや新規ユーザー向けキャンペーン情報を表示。 数回目の訪問者には、人気記事や注目商品を提案。 リピーターには、さらに深掘りした情報や特典を提供する。 このような柔軟な対応は、訪問者の関心を引き続け、リピート率を向上させるのに役立ちます。 アクセス履歴にもとづいたパーソナライズ 特定のページや製品にアクセスした履歴をもとに、表示内容をカスタマイズすることができます。 たとえば… ユーザーが特定の商品ページを訪れた場合、その商品情報をCookieに保存。 次回トップページを訪問した際に、その商品の広告やバナーを最優先で表示。 こうしたターゲティングは、コンバージョン率を向上させる効果が期待できます。 機能の利便性と柔軟性 属性別表示機能の魅力は、その柔軟性にあります。この機能を使えば、Cookieの値をもとにほぼ無限のアイデアを実現することが可能です。たとえば、次のような応用も考えられます。 季節や時期に合わせた情報の表示(例:年末セール、夏のキャンペーン)。 ユーザーの興味や趣味に基づいた記事や商品提案。 年齢層や職業別のカスタマイズされたコンテンツ提供。 さらに、こうしたカスタマイズは、少しのJavaScriptを書くことにより実現可能です。これは、運用の手軽さとコスト削減にもつながります。 動的コンテンツの表示とパフォーマンスの両立 通常、動的なコンテンツの提供はサーバー負荷を増大させる要因となります。しかし、a-blog cmsの属性別表示機能は、ページキャッシュを分ける仕組みを採用しているため、高速なページ表示を維持できます。この点は、特にアクセスが集中するキャンペーンやイベント時に重要な要素です。 まとめ a-blog cmsの属性別表示機能は、閲覧者の属性や行動にもとづいて動的にコンテンツを切り替える強力なツールです。この機能を活用することで、ウェブサイトを訪れる一人ひとりのユーザー体験を最適化し、よりパーソナライズされた情報提供が可能になります。 その結果、以下のような効果が期待できます。 ユーザー満足度の向上 サイト滞在時間や回遊率の向上 コンバージョン率の向上 ウェブサイト運営者にとって、この機能は非常に大きな価値をもたらします。ぜひ、属性別表示機能を活用して、あなたのサイトを次のレベルへと引き上げてみてください。

a-blog cmsの位置情報機能の活用例
a-blog cms には、地理的な要素として緯度・経度の情報を各種データ(エントリー、カテゴリー、ブログ、ユーザー)に付加する基本機能が備わっています。この機能を活用すると、さまざまな業界やシーンで効果的な情報提供が可能になります。たとえば、地図上に店舗やサービスの位置を可視化したり、ユーザーの GPS 情報を活用することで、ユーザーの位置に基づいて近くの店舗や施設情報を一覧表示したりと、柔軟な対応が可能です。 今回は、この位置情報機能をどのように活用できるか、いくつかの具体例を交えてご紹介します。 観光協会のウェブサイト 観光協会のウェブサイトにおいて、観光スポットに緯度・経度の情報を登録すると、地図上でそれぞれのスポットを一覧表示したり、位置情報を活かしたさまざまな機能を追加できます。 地図上でのスポット表示 地図上に観光スポットを一覧表示することで、各スポットの場所を視覚的に確認でき、どのエリアに何があるのかを直感的に把握しやすくなります。複数のスポットを同時に表示することで、観光ルートの検討にも役立ちます。 スポット間の位置関係把握 他の観光スポットとの距離や位置関係も把握しやすいため、効率的な観光ルートの提案が可能です。また、詳細ページでは各スポットの近隣情報を表示でき、周辺エリアの観光も促進します。 観光ルートのカスタマイズ機能 a-blog cms のカート機能を活用して、興味のあるスポットを「お気に入り」として保存し、後でまとめて表示することも可能です。さらに Google Maps API などを使ってルート案内機能を追加すれば、選択した複数のスポットを経由する観光ルートを案内することができ、より充実した観光体験を提供できます。 現在地からのルート案内リンクの生成 訪問者の現在地をもとに、スポットまでの経路を Google Maps で案内するリンクを生成すれば、スマートフォンでワンタップでルートを確認できるため、実際の観光時に大変便利です。このように、位置情報と地図の連携により、観光の利便性が大幅に向上します。 店舗数が多い企業やブランドのウェブサイト 店舗や施設が全国に展開している企業やブランドのウェブサイトでは、通常、店舗一覧を都道府県別のリストや五十音順で並べて表示することが多いですが、a-blog cms の位置情報機能を使うと、さらに柔軟な表示が可能です。 「近い順」での店舗表示 店舗の緯度・経度情報を CMS 上に登録することで、閲覧者の現在地に基づいて「近い順」に店舗を表示することが可能です。これはユーザーにとって特に利便性が高く、例えば、出先で最寄りの店舗を素早く見つけたい場合などに役立ちます。 最寄り店舗のトップページ表示 ユーザーがアクセスした際、最寄りの店舗情報を自動的にトップページに表示することで、ユーザーは迷わずに自分に最も近い店舗を把握でき、店舗の訪問率も向上が期待できます。 ピン表示だけでない有益な情報の提供 通常の地図ピン表示に加えて、各店舗ごとの詳細情報や特典、キャンペーン情報も位置情報に基づいて動的に表示することが可能です。これにより、ユーザーは現在地から近くで実施中のキャンペーンやお得な情報を即座に把握できるため、情報提供の精度が向上します。 飲食店情報サイトやレストランガイド 飲食店情報やレストランガイドのウェブサイトでも、a-blog cms の位置情報機能は強力なツールになります。レストランの場所や周辺のおすすめ店舗の表示をすることで、ユーザーにとってわかりやすく魅力的なコンテンツを提供できます。 エリア別レストラン検索機能 緯度・経度の位置情報を登録することで、現在地から近い飲食店を探したい場合に、エリア別で店舗を絞り込む検索機能が利用可能です。これにより、ユーザーがリアルタイムでその地域にある飲食店の一覧を確認でき、希望に合うレストランの選定が容易になります。 近隣のおすすめ店舗の自動表示 レストランやカフェの詳細ページに、周辺のおすすめ店舗を自動的に表示することもできます。ユーザーは、訪れた店舗の近隣でさらに利用できる別の飲食店を簡単に見つけることができ、地元のグルメ情報を網羅した体験が提供できます。 まとめ a-blog cms の位置情報機能は、単なる地図表示にとどまらず、ユーザーの現在地に基づいてさまざまな情報を動的に提供できるため、観光協会や多店舗展開の企業ウェブサイト、飲食店情報、レストランガイドのウェブサイトなどで多彩な活用が見込まれます。地図表示、ナビゲーション機能、ユーザーの位置に基づく動的な情報提供など、柔軟で強力なツールとして幅広い用途に応用できるでしょう。