多言語サイト制作の方法を徹底比較!CMS・翻訳ツール・実装方法の選び方や注意点
「多言語サイトを作りたいんですが、どうすればいいですか?」
Web制作の現場で、こんな相談を受けることが増えていませんか?
インバウンド需要の回復や、海外展開を目指す企業の増加にともなって、多言語対応の Webサイトは今や特別なものではなくなりました。ECサイトはもちろん、コーポレートサイトや採用サイトでも多言語化のニーズは高まっています。
でも、いざ多言語サイトを作ろうとすると、選択肢がたくさんあって迷ってしまいますよね。「翻訳ツールを入れるだけでいいのか?」「ちゃんと自分たちで翻訳した方がいいのか?」「CMS はどれを選べばいいのか?」など、判断が必要なポイントは意外と多いものです。
この記事では、多言語サイト制作の主な方法を整理して、それぞれのメリット・デメリットを比較していきます。クライアントの予算や目的、更新頻度に応じて、どの方法が最適なのかを判断できるようになるはずです。
特に、機械翻訳に頼らず自社で原稿を準備する方法には大きなメリットがあります。その場合の選択肢として、a-blog cmsの多言語機能も具体的にご紹介していきますので、ぜひ最後までお読みください。
3つの多言語サイト制作手法
多言語サイトを作る方法は、大きく分けて3つあります。どれも「多言語化」という目的は同じですが、実装の仕方や運用の手間、かかるコストはまったく違います。
クライアントから「多言語サイトを作りたい」と言われたとき、まず最初に考えるべきなのが「どの方法で実現するか」です。ここを間違えると、後々の運用で苦労したり、予算オーバーになったりすることも。
それぞれの特徴を理解して、クライアントに最適な提案ができるようにしておきましょう。
1.翻訳ツール・プラグインを導入する方法
一番手軽なのが、機械翻訳を使った翻訳ツールやプラグインを導入する方法。
Google翻訳やDeepLといった翻訳APIを活用して、サイトのコンテンツを自動的に他の言語に変換してくれます。既存のサイトに組み込むだけで、ほぼ自動的に多言語対応ができるのが魅力です。
「とりあえず多言語対応したい」「予算をできるだけ抑えたい」というクライアントには、まずこの方法を検討する価値があります。開発の手間も少なく、専門的な知識がなくても導入できるケースが多いので、スピード重視のプロジェクトにも向いています。
ただし、機械翻訳ではどうしても限界があります。特にマーケティングメッセージやブランドの世界観を伝える文章は、微妙なニュアンスが伝わりにくいことも。「なんとなく意味は分かるけど、ちょっと変な日本語」みたいな翻訳結果になるリスクは覚悟しておく必要があります。
2.外部の多言語翻訳システムを連携する方法
次に考えられるのが、外部の翻訳サービスと連携する方法です。
これらはSaaS型のサービスで、Webサイトのコンテンツを自動で検出して、翻訳データを外部のサーバーで管理してくれます。基本的には機械翻訳がベースですが、多くのサービスには管理画面が用意されていて、翻訳結果を手動で修正できる機能がついています。
「自動翻訳の手軽さ」と「人の手による品質管理」の両方を取り入れたい、というニーズに応えられる方法です。導入もJavaScriptのタグを埋め込むだけで済むことが多く、CMS側を大幅に改修する必要がありません。
「既存のサイトを残したまま多言語化したい」という場合には、特に検討しやすい選択肢だと思います。ただし、月額料金が発生し続けるサブスクリプションモデルが一般的なので、長期的なコストは計算しておいた方がいいでしょう。
また、翻訳データが外部サーバーに依存するため、サービスが終了したり、ページの表示速度に影響が出たりするリスクも、ゼロではありません。
3.CMSで言語ごとにコンテンツを管理する方法
3つ目が、CMS自体に多言語機能を持たせて、言語ごとに個別のコンテンツを作成・管理する方法です。
a-blog cmsをはじめ、多くのCMSには多言語対応の機能が標準または拡張機能として用意されています。この方法では、日本語版のページ、英語版のページ、中国語版のページ…というふうに、それぞれの言語で専用のコンテンツを準備して、CMS内で一元管理します。
この方法の一番の強みは、翻訳の品質を完全にコントロールできること。
プロの翻訳者や現地のネイティブスピーカーがチェックした文章を掲載できるので、ブランドイメージを守りながら、正確なメッセージを届けられます。
また、SEO対策の観点でも有利です。各言語の市場に合わせてキーワードを選定したり、文章の構成を最適化したりできるので、検索エンジンからの評価も得やすくなります。「本気で海外市場を攻めたい」というクライアントには、この方法がベストな選択になることが多いですね。
もちろん、言語ごとにコンテンツを用意する分、制作コストや時間はかかります。
翻訳の手配や校正作業も必要になるので、プロジェクト全体のスケジュールと予算には余裕を持たせておくことが大切です。
各方法のメリット・デメリット比較表
ここまで3つの多言語サイト制作方法を見てきましたが、「結局どれがいいの?」と迷ってしまうかもしれません。それぞれの方法には一長一短があって、クライアントの状況によって最適解は変わってきます。
ここでは、各方法のメリットとデメリットをもう少し詳しく整理していきます。提案時の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
| 翻訳ツール・プラグイン | 外部翻訳システム | CMS多言語機能 | |
|---|---|---|---|
| 初期コスト | 低い | 低い | 高い |
| ランニングコスト | 低〜中 | 中〜高(月額課金) | 低い |
| 導入スピード | 速い(即日〜数日) | 速い(数日〜1週間) | 遅い(数週間〜数ヶ月) |
| 翻訳品質 | △ 機械翻訳のみ | ○ 機械翻訳+手動修正可 | ◎ 完全コントロール可能 |
| SEO効果 | △ 限定的 | ○ 一定の効果 | ◎ 各言語で最適化可能 |
| 運用の手間 | ◎ ほぼ自動 | ○ 修正作業が必要 | △ 言語ごとに更新必要 |
| カスタマイズ性 | △ ツールの仕様に依存 | △ ツールの仕様に依存 | ◎ 自由度が高い |
| データ管理 | △ 外部サーバー依存 | △ 外部サーバー依存 | ◎ 自社で完全管理 |
翻訳ツールのメリット・デメリット
メリット:
- 導入コストが安い
プラグインやツールの利用料だけで始められるので、初期投資を抑えられます - 実装が簡単
プラグインをインストールしたり、タグを埋め込んだりするだけで動くので、開発の手間がほとんどかかりません - スピード重視
すぐに多言語化できるので、「とにかく早く対応したい」というニーズに応えられます - 更新作業が楽
日本語のコンテンツを更新すれば、自動的に他言語版も更新されるので、運用負担が少ないです
デメリット:
- 翻訳の質が不安定
機械翻訳なので、文脈によっては不自然な訳になることがあります。特に専門用語や固有名詞の扱いが難しいです - ブランドイメージへの影響
微妙なニュアンスが伝わらず、企業のメッセージが正確に届かない可能性があります - SEO効果が限定的
機械翻訳の文章は検索エンジンの評価が低くなることもあり、各言語での検索順位が上がりにくい傾向があります - カスタマイズの制約
ツールの仕様に依存するため、細かいデザインや機能の調整が難しいケースがあります
「予算が限られているけど、まずは多言語対応したい」という場合や、「情報提供が目的で、売上に直結しないサイト」には向いている方法です。
外部翻訳システムのメリット・デメリット
メリット:
- 既存サイトへの影響が少ない
JavaScriptタグを追加するだけなので、CMSの構造を変える必要がなく、既存のサイトをそのまま活かせます - 翻訳の修正ができる
管理画面から翻訳結果を手動で修正できるので、機械翻訳の弱点を補えます - 複数言語への対応が簡単
対応言語を増やすのも管理画面から設定するだけなので、段階的に言語を追加していけます - 技術的なハードルが低い
開発の知識がなくても運用できるので、クライアント側で管理しやすいです
デメリット:
- ランニングコストが継続する
月額料金が発生し続けるので、長期的に見るとコストが膨らむ可能性があります - サービス依存のリスク
外部サービスに依存しているため、サービスが終了したり仕様変更があったりすると影響を受けます - ページ表示速度への影響
外部サーバーと通信するため、ページの読み込みが若干遅くなることがあります - データの所在
翻訳データが外部サーバーにあるため、データ管理やセキュリティの観点で気になるクライアントもいます
「機械翻訳をベースにしつつ、重要な部分は手直ししたい」というバランス型のニーズに応えられます。また、「将来的に言語を増やすかもしれない」という柔軟性が必要な場合にも向いています。
CMS多言語機能のメリット・デメリット
メリット:
- 翻訳品質を完全にコントロール
プロの翻訳者や機械翻訳でもネイティブチェックを入れられるので、ブランドイメージを守りながら正確な情報を届けられます - SEO効果が高い
各言語で最適なキーワード選定や文章構成ができるので、検索エンジンからの評価を得やすくなります - カスタマイズの自由度が高い
デザインや機能を言語ごとに細かく調整できるので、各市場に合わせた最適な体験を提供できます - 長期的なコスト管理
サブスクリプション料金が不要で、自社でコンテンツを管理するため、長期的にはコストを抑えられる可能性があります - データの所有権
すべてのコンテンツを自社で管理できるので、セキュリティやデータ管理の面で安心です
デメリット:
- 初期コストが高い
言語ごとにコンテンツを準備する必要があるため、翻訳費用や制作工数がかかります - 運用の手間がかかる
コンテンツを更新するたびに、各言語版も更新する必要があるので、運用体制をしっかり整える必要があります - 制作期間が長い
翻訳や校正の工程が入るため、サイト公開までに時間がかかります - 翻訳リソースの確保
継続的に翻訳者や現地スタッフとの連携が必要になるため、体制づくりが重要です
「本気で海外市場を攻めたい」「ブランドイメージを大切にしたい」「SEOで結果を出したい」というクライアントには、最も効果的な方法です。初期投資は必要ですが、長期的に見れば最もリターンが大きいアプローチと言えます。
自社で原稿を準備する多言語サイトのメリット
ここまで3つの方法を比較してきましたが、翻訳ツールや外部システムを使う方法は、どうしても「機械翻訳」がベースになります。確かに手軽で便利ですが、翻訳が意図しないニュアンスになってしまうこともあります。
実は、自社でしっかり原稿を準備して多言語サイトを作ることには、大きなメリットがあります。特に「海外で本気でビジネスを展開したい」「ブランドイメージを大切にしたい」というクライアントには、ぜひご検討ください。
機械翻訳では対応できないニュアンスの調整
機械翻訳は年々進化していますが、それでも「ニュアンス」を正確に伝えるのは苦手です。
例えば、日本語の「よろしくお願いします」という表現。これを英語に直訳しても、適切な表現にはなりません。ビジネスシーンなのか、カジュアルな場面なのか、初対面なのか継続的な関係なのかによって、使うべき英語表現はまったく変わってきます。機械翻訳では、こうした文脈に応じた最適な表現を選ぶのが難しいのです。
また、ブランドのトーンやボイスも重要です。「親しみやすさ」を大切にしているブランドなのか、「高級感」を演出したいのか。こうしたブランドの世界観は、言語が変わっても一貫して伝える必要があります。機械翻訳だと、どうしても無機質で画一的な表現になってしまいがちです。
自社で原稿を準備すれば、プロの翻訳者やネイティブチェッカーが文脈を理解した上で、最適な表現を選んでくれます。企業の想いやメッセージが、正確に、そして魅力的に伝わるようになるのです。
SEO対策として各言語で最適化されたコンテンツ
多言語サイトを作る目的の一つが、海外からの検索流入を増やすことですよね。でも、機械翻訳のコンテンツでは、SEO効果を最大限に引き出すのは難しいんです。
なぜなら、各言語にはそれぞれの「検索キーワード」があるからです。日本語で検索される言葉と、英語で検索される言葉は、単純に翻訳しただけでは一致しないことが多いんですね。
例えば、「住宅ローン」というキーワード。英語圏では「mortgage」と検索する人もいれば、「home loan」と検索する人もいます。ターゲットとする国や地域によって、よく使われる表現は変わってきます。こうした現地の検索傾向を理解して、適切なキーワードを選定することが、SEO成功の鍵になります。
自社で原稿を準備すれば、各言語の市場調査を行った上で、検索ボリュームの多いキーワードを盛り込んだコンテンツを作成できます。タイトルタグやメタディスクリプション、見出しの構成なども、その言語での検索エンジン最適化を意識して設計できるのです。
結果として、各言語での検索順位が上がり、オーガニック流入が増えていきます。広告費をかけずに継続的な集客ができるようになるのは、大きなメリットですよね。
ブランドイメージの統一とクオリティコントロール
グローバルに展開する企業にとって、ブランドイメージの統一は非常に重要です。日本語サイトでは洗練されたメッセージを発信しているのに、英語サイトでは不自然な表現が並んでいたら、信頼性が損なわれてしまいます。
特にBtoB企業や高級ブランド、医療・法律などの専門性の高い業界では、言葉の使い方一つで信頼度が変わってきます。機械翻訳の不自然な表現では、「この会社、大丈夫かな?」と思われてしまうリスクがあるのです。
自社で原稿を準備することで、すべてのコンテンツの品質をチェックし、ブランドガイドラインに沿った表現に統一できます。専門用語の使い方、文体、トーンなど、細部にまでこだわったコンテンツを提供できるのです。
また、業界特有の表現や法律用語なども、専門知識を持った翻訳者に依頼することで正確に翻訳できます。これは機械翻訳では絶対に実現できない品質です。
さらに、コンテンツの更新タイミングもコントロールできます。「この情報は英語版だけ先に公開したい」「中国語版はもう少し表現を調整してから公開したい」といった柔軟な対応も可能になります。
クオリティの高いコンテンツは、ユーザーの信頼を獲得し、結果的にコンバージョン率の向上につながります。初期投資は必要ですが、長期的に見れば確実にリターンが得られる投資と言えるでしょう。
CMSで記事を多言語化する際の重要ポイント
「よし、自社でしっかり原稿を準備して多言語サイトを作ろう!」と決めたら、次に考えるべきなのが具体的な実装方法です。ここで適切な設計をしておかないと、後々運用で困ったり、SEO効果が十分に得られなかったりすることがあります。
特に重要なのが、「URL構造の設計」と「言語切り替えUIの設計」の2つです。これらは一度決めると後から変更するのが大変なので、最初にしっかり検討しておきましょう。
言語ごとのURL構造の設計(ディレクトリ型・サブドメイン型・パラメータ型)
多言語サイトを作るとき、言語ごとのコンテンツをどのようなURL構造で管理するかは、とても重要な判断ポイントです。主に3つの方式があって、それぞれメリット・デメリットがあります。
ディレクトリ型(サブディレクトリ型)
一番よく使われているのが、このディレクトリ型です。
- https://example.com/ (日本語)
- https://example.com/en/ (英語)
- https://example.com/zh/ (中国語)
このように、言語ごとにディレクトリを分けて管理する方法です。
メリット:
- URL構造が分かりやすく、ユーザーにも理解しやすい
- ドメインの評価を各言語で共有できる(SEO的に有利)
- サーバー管理がシンプルで、SSL証明書も1つで済む
- 多くのCMSがこの構造に対応している
デメリット:
- 特に大きなデメリットはなく、バランスが良い方法
サブドメイン型
言語ごとに別のサブドメインを用意する方法です。
- https://example.com/ (日本語)
- https://en.example.com/ (英語)
- https://zh.example.com/ (中国語)
メリット:
- 言語ごとに完全に独立したサイトとして運用できる
- サーバーを言語ごとに分けられる(大規模サイト向け)
- 各言語で異なるCMSやシステムを使える
デメリット:
- ドメインの評価が分散してしまう(SEO的にやや不利)
- SSL証明書を複数用意する必要がある
- DNS設定やサーバー管理が複雑になる
大規模な多国籍企業で、各国に独自のチームがあり、完全に独立して運用したい場合には向いています。ただし、中小規模のサイトではオーバースペックになることが多いです。
パラメータ型(クエリ型)
URLにパラメータを付けて言語を切り替える方法です。
- https://example.com/?lang=ja (日本語)
- https://example.com/?lang=en (英語)
- https://example.com/?lang=zh (中国語)
メリット:
- 実装が比較的簡単
- 既存のURL構造を変えずに導入できる
デメリット:
- Googleはこの方式を推奨していない
- URLが分かりにくい
- SNSシェア時に言語が維持されないことがある
- 検索エンジンがパラメータを無視することがある
正直なところ、新規で多言語サイトを構築するなら、この方式はあまりおすすめできません。どうしても既存システムの制約で他の方式が難しい、という場合の妥協案として考えるべきです。
どれを選ぶべき?
特別な理由がない限り、ディレクトリ型を選ぶのがベストです。SEO効果、運用のしやすさ、ユーザビリティのバランスが最も優れています。a-blog cmsでも、このディレクトリ型に対応していますので、安心して採用できます。
言語切り替えUIの設計
URL構造が決まったら、次に考えるのが「ユーザーがどうやって言語を切り替えるか」です。これがしっかり設計されていないと、せっかく多言語対応しても、ユーザーが目的の言語にたどり着けません。
言語切り替えボタンの配置場所
最も一般的なのは、ヘッダー部分に言語切り替えのリンクやボタンを配置する方法です。サイトのどのページからでもアクセスできて、ユーザーが見つけやすい場所に置くのがポイントです。
よく使われる配置場所は
- ヘッダーの右上(グローバルナビゲーションの横)
- フッター部分
- モバイルではハンバーガーメニューの中
複数の言語に対応する場合は、ドロップダウンメニュー形式にして、スペースを節約するのもおすすめです。
言語の表記方法
言語の表記方法も重要です。いくつかのパターンがあります:
- 言語名をその言語で表記
「日本語」「English」「中文」(最も推奨) - 国旗アイコン
直感的だが、英語=アメリカ?イギリス?という問題がある - 言語コード
「JA」「EN」「ZH」(専門的すぎて一般ユーザーには分かりにくい)
基本的には、その言語の母語話者が読める表記にするのがベストです。日本語話者は「日本語」という文字を見れば分かりますし、英語話者は「English」と書いてあれば分かります。国旗アイコンだけだと、同じ言語を使う国が複数ある場合に混乱を招くので、テキストと組み合わせるのが安全です。
言語切り替え時の挙動
言語を切り替えたときに、ユーザーをどのページに遷移させるかも考えておく必要があります。
- 同じコンテンツの別言語版に遷移
ユーザーが見ていたページの英語版に移動(理想的) - トップページに遷移
全言語版のコンテンツが揃っていない場合の妥協案
できるだけ、ユーザーが見ていたページと同じ内容の別言語版に遷移させるのがベストです。例えば、日本語の「製品情報」ページを見ていたユーザーが英語に切り替えたら、英語版の「Products」ページに遷移するべきです。
例えば、日本語の「製品情報」ページを見ていたユーザーが英語に切り替えたら、英語版の「Products」ページに遷移するべきです。記事同士の言語対応関係を設定でき、こうしたスムーズな言語切り替えを実現するCMSが理想です。
hreflangタグの実装
技術的な話になりますが、多言語サイトではhreflangタグの実装も忘れずに。これは検索エンジンに「このページには別言語版があるよ」と伝えるためのタグです。
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://example.com/" /> <link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/" /> <link rel="alternate" hreflang="zh" href="https://example.com/zh/" />
これを各ページのhead内に記述することで、Googleが適切な言語のページを検索結果に表示してくれるようになります。SEO対策として必須の設定です。
言語切り替えUIは、ユーザーにとっての「入口」です。ここがしっかり設計されていないと、せっかく作った多言語コンテンツが活用されません。ユーザー目線で使いやすく、分かりやすいUIを心がけましょう。
ここまで多言語サイト制作の考え方や設計のポイントを見てきましたが、次は実際にCMSを使った実現方法を紹介していきます。
多言語サイト構築に必要な機能が揃った a-blog cms
多言語サイトを構築するにあたって、「a-blog cms」は必要な機能がしっかりと備わったCMSです。自社で原稿を用意し、品質にこだわった多言語サイトを制作したい場合でも、無理なく対応できる設計になっています。
a-blog cmsの多言語対応の特徴
a-blog cmsでは、「ブログ」という単位で言語を管理します。日本語用のブログ、英語用のブログ、中国語用のブログ…というふうに、言語ごとにブログを作成して、それぞれ独立したコンテンツを管理していく仕組みです。
この方法の良いところは、各言語のコンテンツを完全に独立して管理できること。日本語版には日本語向けのカテゴリー構成や記事を、英語版には英語圏のユーザーに最適化した構成を用意できます。単なる翻訳ではなく、それぞれの市場に合わせたコンテンツ設計ができるのが強みです。
URL構造はディレクトリ型に対応
先ほど説明したURL構造の設計で、最もおすすめだった「ディレクトリ型」にa-blog cmsは対応しています。
- https://example.com/ (日本語ブログ)
- https://example.com/en/ (英語ブログ)
- https://example.com/zh/ (中国語ブログ)
このように、分かりやすく、SEOにも強い構造で多言語サイトを構築できます。
記事同士の言語対応関係を設定できる※
a-blog cmsの便利な機能の一つが、記事同士の言語対応関係を設定できること。例えば、日本語の「製品情報」記事と、英語の「Products」記事が同じ内容だということを、システム上で紐付けられます。
※プロフェッショナル以上のライセンスで使える公式プラグインの機能です
これによって、言語切り替えボタンをクリックしたときに、今見ているページと同じ内容の別言語版にスムーズに遷移させることができます。ユーザーは迷うことなく、必要な情報に辿り着けるわけです。
カスタムフィールドで柔軟な運用
a-blog cmsの強みは、カスタムフィールドを使った柔軟なコンテンツ管理ができること。多言語サイトでも、この強みは活きてきます。
例えば、商品情報を多言語展開する場合。商品名や説明文は言語ごとに違いますが、価格や商品コード、画像などは共通で使いたいですよね。a-blog cmsなら、こうした「言語によって変わる情報」と「共通で使える情報」を、カスタムフィールドを使って柔軟に設計できます。
また、言語ごとに異なるレイアウトを適用したい場合も、テンプレートを分けて管理できるので対応可能です。
運用面でのメリット
a-blog cmsで多言語サイトを運用する場合、管理画面から各言語のコンテンツを一元管理できます。「今日は日本語版の記事を更新して、明日は英語版を更新する」といった柔軟な運用ができるのも便利なポイントです。
また、権限管理機能を使えば、「日本語のコンテンツは日本チームが、英語のコンテンツは海外チームが管理する」といった役割分担も可能です。複数の担当者が関わるプロジェクトでも、スムーズに運用できます。
コストパフォーマンスの高さ
a-blog cmsはライセンス買い切り型とサブスク型を自由に選べます。サブスクでも月額料金はそこまで高額ではないので、翻訳ツールと違ってランニングコストを抑えられます。長期的に運用するなら、トータルコストは確実に抑えられるでしょう。
自社でしっかり原稿を準備して、品質の高い多言語サイトを作りたい。そして長期的に運用していきたい。そんなクライアントには、a-blog cmsの多言語機能はとても良い選択肢になるはずです。
※プロフェッショナルライセンス以上はサブスク型のみとなります
実装のハードルは高くない
「多言語サイトって難しそう…」と思うかもしれませんが、a-blog cmsなら基本的な多言語サイトの実装は、それほど難しくありません。ブログの設定、テンプレートの準備、言語切り替えUIの実装といった基本的なステップを踏めば、しっかり動く多言語サイトが作れます。
もちろん、より高度なカスタマイズをしたい場合は、開発の知識が必要になることもあります。でも、基本的な多言語サイトなら、a-blog cmsの標準機能でも十分に実現できるので、まずはシンプルな構成から始めてみるのがおすすめです。
グローバル展開を目指すクライアントに対して、「a-blog cmsなら、自社で品質をコントロールしながら、コストを抑えて多言語サイトを運用できますよ」と自信を持って提案していただけます。
まとめ
多言語サイト制作の方法はひとつではありません。翻訳ツールを使った手軽な方法から、外部の翻訳システムを連携する方法、そしてCMSで言語ごとにしっかりコンテンツを管理する方法まで、それぞれに特徴があります。
大切なのは、クライアントの目的や予算、運用体制に合わせて、最適な方法を選ぶことです。
「とりあえず多言語対応したい」「予算を抑えたい」という場合は、翻訳ツールや外部システムの導入が向いています。スピーディーに、低コストで多言語化を実現できるのが魅力です。
一方で、「本気で海外市場を攻めたい」「ブランドイメージを大切にしたい」「SEOで結果を出したい」というクライアントには、自社で原稿を準備する方法をおすすめします。初期投資は必要ですが、翻訳の品質をコントロールでき、各言語でSEO最適化されたコンテンツを提供できるため、長期的に見れば確実にリターンが得られます。
そして、自社でコンテンツを管理する多言語サイトを構築するなら、a-blog cmsは有力な選択肢の一つです。ディレクトリ型のURL構造、記事同士の言語対応関係の設定、カスタムフィールドによる柔軟な運用など、多言語サイトに必要な機能がしっかり揃っています。
多言語サイトは、グローバル化が進む今、多くの企業にとって必要不可欠なものになってきています。クライアントの状況をしっかりヒアリングして、最適な方法を提案できれば、Web制作者としての信頼も高まるはずです。
この記事が、多言語サイト制作の参考になれば幸いです。
ウェブ制作会社アップルップル代表。2000年に日記のCGIを公開、2004年にはブログを開発。四半世紀にわたりWebサイトを更新するシステムに関わり続けてきました。自社開発CMS「a-blog cms」は5,000サイト以上で採用され、現場視点のUI改善や勉強会の開催にも取り組んでいます。
@kazumich関連記事
この記事のハッシュタグ #多言語サイト から関連する記事を表示しています。
a-blog cmsで始める多言語サイト構築:2つの管理方法
グローバル展開や国際的なアクセス対応を考える際、多言語サイトの構築は避けて通れません。かつてはGoogleの提供する翻訳ウィジェットを利用することで簡単に英語版サイトを提供できる時代もありましたが、現在ではそれに代わる選択肢が必要です。Chromeに翻訳機能が搭載されているものの、翻訳された内容は検索エンジンにインデックスされません。つまり、英語で検索する海外ユーザーには日本語サイトの存在が見えないという問題があります。 その解決策として、言語ごとに明確に分離されたURL構造(例: https://www.appleple.com/ と https://www.appleple.com/en/)を持つ多言語サイトの構築が必要です。a-blog cmsでは、このような多言語対応をシンプルかつ柔軟に実現できる機能を提供しています。 多言語サイト構築の基本的なアプローチ a-blog cmsを使用して多言語対応サイトを構築する際、主に以下の2つの方法があります。 日本語・英語を1つの記事に併記する 日本語・英語を別の記事として管理する さらに、言語の追加も柔軟に対応可能で、3つ、4つと増やしていくことも容易です。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。 1. 日本語と英語を1つの記事に併記する方法 この方法では、1つの記事内に複数言語を併記します。たとえば、同じエントリ内で日本語と英語を切り替えるような構成です。以下のような特徴があります。 メリット 管理の一元化:1つの管理画面内で複数言語を扱えるため、言語ごとに分ける手間が不要です。 修正のしやすさ:日本語の記事を更新した際、同じ場所で英語版も編集できるため、更新漏れや不整合のリスクが軽減されます。 統一感のある構造:エイリアス機能を使い、ブログIDを共有しつつURLを切り替えることで、同じカテゴリーやエントリのテンプレート設定を簡単に調整できます。 推奨される利用シーン 日本語と英語でほぼ同じ分量・内容の記事を提供する場合。 記事の対応を逐一確認しながら運用したい場合。 2. 日本語と英語を別々の記事として管理する方法 こちらの方法では、日本語用の記事と英語用の記事を完全に分けて運用します。それぞれ独立したブログ、カテゴリー、記事として管理されます。この構成の特徴は次の通りです。 メリット 柔軟な運用:日本語と英語で記事公開の頻度や内容が異なる場合にも対応可能です。たとえば、日本語の記事が月に10件、英語が2~3件程度の場合や、英語の記事のみを単独で公開したい場合に適しています。 独立性の確保:記事ごとに完全に別の運用ができるため、各言語のコンテンツに特化した運用が可能です。 自動翻訳の活用 プロフェッショナル以上のライセンスを利用している場合、Google翻訳APIを使って日本語の記事から英語記事を自動生成するオプションも利用可能です。この機能を活用すれば、翻訳作業の手間を軽減しつつ、一定の品質を保ったコンテンツ提供が実現します。 推奨される利用シーン 各言語のコンテンツ量や更新頻度に大きな差がある場合。 特定言語の記事が他言語の影響を受けず独立した運用を求められる場合。 具体的な運用事例 a-blog cmsで多言語サイトを構築する際、以下のような運用事例が考えられます。 観光情報サイト 観光地情報を提供するサイトで、海外旅行者向けに英語版のページを用意。日本語と英語を1つの記事に併記し、カテゴリごとに情報を整理。 企業コーポレートサイト 日本国内向けの情報を日本語で、海外向けには英語や中国語の情報を個別の記事として管理。それぞれの言語で必要な情報量が異なるため、独立したブログとして運用。 ECサイト 製品情報ページを多言語対応。製品詳細は日本語と英語を併記し、プロモーション用のブログ記事は言語ごとに独立運用。 まとめ:どちらの方法を選ぶべきか? a-blog cmsでの多言語サイト構築は、運用スタイルや目的に応じて柔軟に選択できます。 統一感と手軽さを重視するなら、1つの記事に言語を併記する方法がおすすめ。 柔軟性と独立性が求められる場合は、言語ごとに別の記事として管理する方法が最適です。 いずれの方法でも、a-blog cmsの機能を活用することで、効率的かつ効果的な多言語サイトの運営が可能です。サイトの目的やターゲットに応じて最適なアプローチを選び、グローバルに通用するサイト作りを目指しましょう。