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AIで作ったWebサイトをCMS化して「運用できる状態」にする方法

AIでWebサイトを作れるようになった今、新しい課題が出てきています。

「作った後、どうやって運用するのか。」

CursorやClaudeでHTMLを生成して、見た目のきれいなWebサイトができた。
ローカルで表示してみると、レスポンシブも効いていてクオリティも十分。
でも、このまま公開すると、更新のたびにHTMLファイルを手で書き換えなければなりません。

お知らせを1件追加するだけで、HTMLの編集とFTPアップロードが必要になる。
実績ページに新しい案件を載せたくても、コーダーに頼まないとできない。
写真を1枚差し替えるだけで、コードを触る必要がある。

クライアントに納品するサイトなら、なおさらです。「更新は毎回制作会社に依頼してください」では、クライアントの満足度も下がりますし、制作会社側の保守負荷も増えていきます。
AIは「作る」フェーズを劇的に効率化してくれましたが、「運用する」フェーズの課題は、AIだけでは解決しません。

この記事では、AIで作ったWebサイトを運用可能な状態にする方法として、CMSを活用した実践的な手順を紹介します。


お知らせ更新、実績追加…AIに毎回頼むわけにはいかない

「AIでサイトを作れるなら、更新もAIに頼めばいいのでは?」と思うかもしれません。でも、実際にはそう単純ではありません。
お知らせ記事を1件追加するたびにAIにプロンプトを投げて、HTMLを再生成して、差分を確認して、アップロードする。この作業を毎週やるのは、現実的ではありません。
特に以下のようなケースでは、運用の仕組みを別に用意する必要があります。

  • お知らせ・ニュース:発信頻度が高く、テキストや日付を更新するだけの定型作業
  • 実績・事例ページ:写真と説明文のセットを追加していくパターン
  • スタッフ紹介:異動や入退社で定期的に更新が発生する
  • ブログ・コラム:クライアント自身が書きたいケース
  • メニューや料金表:季節や価格改定で頻繁に変わる

こうした「定型的だけど頻繁に発生する更新」は、管理画面から誰でもできる状態にしておくのがベストです。つまり、CMS化です。

CMS化で解決できること

CMS化とは、Webサイトの更新が必要な部分を管理画面から編集できるようにすることです。HTMLを直接触らなくても、ブラウザ上のフォームからテキスト入力や画像アップロードができる状態になります。

ここで大事なのは、サイト全体をCMS化する必要はないということです。

AIで生成したHTMLのうち、更新が発生する箇所だけを選んでCMS管理下に置く。それ以外のページ(会社概要、アクセスマップなど、めったに変わらない部分)は、AIが生成したHTMLをそのまま使い続ける。

この「部分的なCMS化」ができると、以下のような効果があります。

  • クライアントがブラウザから自分でお知らせを投稿できる
  • 実績ページに新しい案件を追加するのに、コーダーの手が要らなくなる
  • 写真の差し替えも管理画面から完結する
  • 更新のたびに制作会社に依頼する必要がなくなる
  • 制作会社側の保守対応コストが減る

更新が必要な箇所だけをCMS管理下に置く

「部分的にCMS化する」と言われても、具体的にどういうことか想像しにくいかもしれません。
たとえば、AIで生成したコーポレートサイトが以下のような構成だったとします。


ページ 更新頻度 CMS化
トップページ ほぼ変わらない △(お知らせ一覧部分のみ)
お知らせ一覧・詳細 週1〜月数回 ◎(CMS化する)
事業紹介 年1回程度 ×(HTMLのまま)
実績・事例 月1〜数回 ◎(CMS化する)
会社概要 ほぼ変わらない ×(HTMLのまま)
アクセス 変わらない ×(HTMLのまま)
お問い合わせ 変わらない △(フォーム機能のみCMS化)

このように、更新が発生するページだけを選んでCMS化すれば、工数を最小限に抑えつつ、運用に必要な機能を確保できます。

クライアントが自分で更新できる管理画面

CMS化すると、クライアントにはこんな管理画面を提供できます。

  • お知らせの投稿画面:タイトル、日付、本文を入力して「公開」ボタンを押すだけ
  • 実績ページの追加画面:写真をアップロードし、案件名と説明文を入力して登録
  • メニューの編集画面:料金や品目をフォームから直接編集

HTMLの知識は一切不要です。ブログサービスに記事を投稿するのと同じ感覚で、Webサイトの更新ができるようになります。

CMS化の具体的な手順

ここでは、AIで生成したHTMLをCMS化する具体的な方法を紹介します。
前提として、CMS化にはさまざまな方法がありますが、AIが生成したHTMLをそのまま活かすなら、HTMLベースのCMSが最も相性が良い選択です。
ここではa-blog cmsを例に、「お知らせ」をCMS化する流れを紹介します。

Step 1:更新が必要な箇所を特定する

まず、AIが生成したHTMLの中で「管理画面から更新したい部分」を洗い出します。
お知らせ一覧なら、HTMLの中の ul や li でニュース記事が並んでいる部分。実績ページなら、写真と説明文のセットが繰り返されている部分です。

Step 2:CMSタグを追加する

a-blog cmsの場合、特定した箇所にHTMLコメント形式のCMSタグを追加します。
たとえば、お知らせ一覧なら以下のような形です。

<!-- BEGIN_MODULE Entry_Summary id="news" -->
<ul>
  <!-- BEGIN entry:loop -->
  <li>
    <time>{date#Y}-{date#m}-{date#d}</time>
    <a href="{url}">{title}</a>
  </li>
  <!-- END entry:loop -->
</ul>
<!-- END_MODULE Entry_Summary -->

HTMLの構造はAIが生成したものをそのまま使い、CMSタグとテンプレート変数を追加するだけです。PHPへの変換や、フレームワークの導入は必要ありません。

Step 3:管理画面からコンテンツを登録する

CMSタグを追加してa-blog cmsのテーマとして設定すれば、管理画面からお知らせ記事を投稿できるようになります。タイトル、日付、本文を入力して公開ボタンを押せば、サイトに自動的に反映されます。

a-blog cmsの公式サイトでは、静的HTMLサイトをCMS化する詳しいチュートリアルが公開されています。AIで生成したHTMLに対しても同じ手順が使えます。
チュートリアル:静的HTMLサイトからCMSのテーマを作ってみよう 2026

制作会社がクライアントに提案する際のポイント

CMS化の話をすると、クライアントから「WordPressでいいんじゃないの?」と言われることがあります。知名度がある分、当然の反応です。

ただ、AIで作ったHTMLをCMS化する場合、従来のWordPress構築とは事情が少し異なります。ここを整理して伝えられると、提案の説得力が変わってきます。

デザインの再現性が違う

従来のWordPress構築では、既存テーマをベースにカスタマイズするか、HTMLをPHPテンプレートに変換してオリジナルテーマを作るか、どちらかの方法を取ります。

既存テーマのカスタマイズだと、AIが生成したデザインをそのまま再現するのは難しい。テーマが持っているレイアウトやスタイルの制約に合わせて、デザインを妥協する場面が出てきます。

オリジナルテーマを一から作ればデザインの自由度は上がりますが、HTMLをPHPに変換する作業が発生します。
ファイルを分割して、テンプレートタグに書き換えて、ループ処理を実装して、動作確認して——この工程の中で、AIが出力したきれいなHTMLの構造が徐々に変わっていきます。
「思った通りのデザインにならない」というトラブルが起きやすいのも、この変換工程です。

HTMLベースのCMSであれば、AIが生成したHTMLにCMSタグを追加するだけなので、デザインはそのまま維持されます。
「AIで作ったあのデザイン、そのままの見た目で、かつ自分で更新できるサイトになります」という提案ができます。

「デザインそのまま」+「自分で更新できる」が両立する

クライアントが本当に求めているのは、この2つの両立です。

「見た目は理想通りにしたい」——これは当たり前の要望です。AIが生成したデザインを見て「これがいい」と言ってくれたなら、そのデザインを忠実に再現して納品したい。

「でも、お知らせやブログは自分で更新したい」——これも当たり前の要望です。更新のたびに制作会社に依頼して、費用と時間がかかるのは避けたい。

従来の方法だと、デザインの再現性を優先すると更新の自由度が下がり、更新しやすさを優先するとテーマの制約でデザインが変わる、というトレードオフが生じがちでした。

HTMLベースのCMSは、このトレードオフを解消します。AIが出力したHTMLの見た目を維持したまま、更新が必要な箇所だけ管理画面から操作できる状態にする。
デザインの再現性と更新のしやすさを両立できるのが、クライアントへの提案として最も強いポイントです。

まとめ

AIコーディングは、Webサイト制作の「作る」フェーズを大幅に効率化してくれます。しかし、サイトの本当の価値は公開後の運用フェーズで生まれます。
AIで作ったHTMLを、そのまま管理画面から更新できる状態にする。更新が必要な箇所だけを選んでCMS化する。クライアントが自分でコンテンツを管理できる仕組みを提供する。
「作って終わり」ではなく「作って、運用できる状態にして、納品する」——ここまでがAI時代のWeb制作です。
a-blog cmsなら、AIが生成したHTMLにCMSタグを追加するだけで、運用可能なサイトに変えられます。まずは公式チュートリアルで体験してみてください。

チュートリアルを見る → 静的HTMLサイトからCMSのテーマを作ってみよう 2026


a-blog cms 勉強会 in 名古屋 2026/03

先日、ベースキャンプ名古屋にて a-blog cms 勉強会 を開催しました。

今回もセッション形式ではなく、参加者同士がその場で話題を出し合いながら進める、コミュニティ色の強いスタイルでの開催となりました。

当日の話題

当日は、参加者の「最近こんなものを作った」「これ便利じゃない?」といった感じに、発表や情報交換が行われました。

  • メディアIDを活用したエントリー移行の実演
  • WordPressからのデータ移行をするための自作拡張アプリの紹介
  • ローカル環境構築ツール DDEV の紹介
  • Docker環境で利用できるメール確認ツール Mailpit の紹介
  • AI拡張アプリの進捗状況の共有
  • CMS大集合 Vol.2 の参加レポートとデモ

などなど、拡張アプリや開発環境に関する話題のほか、最近参加したイベントの共有も。
さらには、参加者のお困りごとを解決する場面もありました。

今回も参加者同士で意見交換を行いながら進行し、わからないことはその場で質問できる勉強会となりました。

参加をご検討の方へ

a-blog cms 勉強会 in 名古屋では、参加者同士で情報交換をしながら a-blog cms の活用方法や実装について学ぶことができます。
初めての方も歓迎していますので、興味のある方はぜひご参加ください。

また、他県やオンラインでも開催してほしい!というご要望があれば、ぜひご相談ください。


WordPress代替CMS比較|制作会社が案件で使い分ける判断基準は?【2026年版】

「WordPress以外のCMSも検討した方がいいんだろうか?」
制作会社の方なら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。
WordPressは今も優れたCMSですが、すべての案件で最適とは限りません。プラグインの保守対応、PHP人材の確保、クライアントから「更新が難しい」と言われる場面。こうしたモヤモヤを抱えている方に向けて、この記事では「WordPressか、それ以外か」という二択ではなく、案件の特性に応じてCMSを使い分ける判断基準を整理します。代替CMSの比較も、優劣ではなく「どの案件に合うか」という視点でお伝えしていきます。


WordPressは本当に「合わなくなった」?

WordPressが最適な案件は今も多いが「全案件WordPress」は可能?

誤解のないようにお伝えすると、WordPressは2026年現在も非常に優れたCMSです。テーマやプラグインが豊富で、デザインの自由度も高い。クライアントへの提案時に「WordPressで構築します」と言えば説明コストが低いのも、制作会社にとっては大きなメリットです。コーポレートサイト、ブログ、メディアサイトなど、WordPressが最適解となる案件は今も数多くあります。

ただ、こんな場面に心当たりはないでしょうか。

クライアントの更新頻度が高い案件で、管理画面の使い方を何度も説明している。保守契約を結んでいるのに、利益がほとんど出ていない案件がある。プラグインのアップデートで不具合が出て、本来の制作業務が止まった経験がある。

これらはWordPressが悪いわけではありません。ただ、すべての案件に同じCMSを使い続けていると、ミスマッチが起きやすい領域があるということです。

プラグインやアップデート対応で「構築」より「保守」に時間を取られる

WordPressはオープンソースCMSであり、機能の拡張はプラグインに依存する設計になっています。これは柔軟性の高さと引き換えに、プラグイン同士の競合リスクや、WordPress本体のアップデートに伴う互換性チェックという継続的なコストを生みます。

制作会社にとって特に深刻なのは、この保守コストが見積もりに載りにくいという点です。構築フェーズの工数は見積もれても、納品後に発生するプラグイン更新やPHP・WordPressバージョンアップへの追従は、保守契約の範囲を超えて膨らみがちです。結果として、保守対応が制作チームの稼働を圧迫し、新規案件に集中しづらくなってしまいます。

なお、これはWordPress固有の欠点というよりも、オープンソース+プラグイン依存型のCMS全般に共通する構造的な特性です。大事なのは、自社の体制や案件の特性に合っているかどうかを見極めることです。

PHP人材への依存と、属人化のリスク

WordPressのカスタマイズには、PHPの知識が欠かせません。テーマの自作、functions.phpでの機能追加、プラグインのカスタマイズなど、いずれもPHPが書けるエンジニアがいなければ対応は難しいのが実情です。

問題は、多くの中小規模の制作会社にとって、PHP専任エンジニアの確保が容易ではないということです。採用市場ではPHP人材の需要が高く、仮に採用できたとしても、退職すればWordPress案件のカスタマイズや保守が回らなくなるリスクがあります。

案件によっては「PHPスキルに依存しない構築方法」を選択肢として持っておくことが、組織としてのリスクヘッジになります。

WordPress代替CMSを検討すべき「案件タイプ」と「組織条件」

CMSは案件によって使い分けるのが最適

ここまで読んで、「じゃあWordPressをやめなきゃいけないのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その必要はありません。

大切なのは「WordPress一択」をやめることであって、WordPressをすべてやめることではないのです。得意な案件にはWordPressを使い、WordPress以外のほうが効率よく回せる案件には別のCMSを選ぶ。この使い分けができるようになると、保守コストの削減や提案の幅の広がりなど、経営面でのメリットが見えてきます。

では、具体的にどんな案件や組織条件のときに、代替CMSの検討が有効なのでしょうか。

WordPress代替CMSが向いている案件の3つの条件


すべての案件に共通する正解はありませんが、以下のような条件が重なる案件では、WordPress以外のCMSを検討するのがおすすめです。

1つ目は、クライアント自身が頻繁にコンテンツを更新する案件です。お知らせやブログ、事例紹介など、納品後にクライアントが日常的に情報を発信する必要がある場合、管理画面の使いやすさが運用の定着を左右します。「操作がわからない」という問い合わせが増えてサポート工数が負担になっているなら、より直感的に更新できるCMSを検討するタイミングです。

2つ目は、保守契約の利益率が低い案件です。プラグインのアップデート対応やセキュリティパッチの適用に毎月一定の工数がかかっているにもかかわらず、保守費用に転嫁しきれていない。実工数と契約金額を突き合わせてみると実質赤字、というケースは珍しくありません。プラグインへの依存が少ないCMSを選ぶことで、この構造自体を変えられる可能性があります。

3つ目は、PHPエンジニアなしで構築から運用まで回したい案件です。HTML/CSSのスキルはあるがPHPは書けないデザイナーやコーダーが中心の体制では、WordPress案件は外注や特定メンバーに頼らざるを得ません。HTML/CSSベースで構築できるCMSであれば、既存のチーム体制のまま対応できる案件の幅が広がります。

WordPress代替CMSが向いている制作会社の3つの条件


案件の特性に加えて、自社の組織状況からも整理してみましょう。

1つ目は、PHP専任のエンジニアがいない、または採用が難しい会社です。無理にPHP人材を採用するコストをかけるよりも、今いるメンバーで回せるCMSを導入するほうが合理的な場合があります。

2つ目は、保守対応の工数が経営を圧迫している会社です。受注は順調なのに、既存案件の保守に時間を取られて新規制作に集中できない。こうした状態が慢性化しているなら、保守負荷の低いCMSを一部の案件に導入するだけでも、チーム全体の稼働に余裕が生まれます。

3つ目は、案件単価を上げたいが差別化要素が少ないと感じている会社です。「WordPress構築」は多くの制作会社が提供できるため、価格競争に巻き込まれやすい面があります。WordPress以外のCMSも提案できること自体が、「案件に合わせた選定をしてくれる会社」という信頼感につながり、価格比較から抜け出すきっかけになります。

WordPress代替CMSの選定基準。制作会社が見るべき5つのチェックポイント

代替CMSを検討するといっても、世の中にはさまざまなCMSがあり、公式サイトを見ればどれも魅力的に映ります。

ただ、制作会社がCMSを選ぶ際に見るべきポイントは、一般的な機能比較とは少し異なります。大切なのは、「自社の体制で構築・運用が回るか」「クライアントに自信を持って提案できるか」という実務の目線です。ここでは、選定時に確認すべき5つのチェックポイントを整理します。

①構築に必要なスキルセット

最初に確認すべきは、そのCMSでサイトを構築するために、どのレベルの技術スキルが必要かという点です。WordPressならPHP、ヘッドレスCMSならAPI実装のスキルが必要になりますし、HTML/CSSだけでテンプレートを組めるCMSもあります。

「社内の誰が構築を担当するか」を具体的に想像してみてください。デザイナーやコーダーが中心なのか、フロントエンドエンジニアがいるのか。今いるメンバーで無理なく構築できるCMSを選ぶことが、導入後のスムーズな運用につながります。

②標準機能の充実度

CMSの機能には「標準で備わっているもの」と「プラグインで追加するもの」の2種類があります。WordPressの保守負荷の多くがプラグイン管理に起因していることは、すでにお伝えしたとおりです。

問い合わせフォーム、SEO関連の設定、画像の自動最適化、レスポンシブ対応など、ほぼすべてのサイトで必要になる機能が標準搭載されているかどうか。ここを事前に確認しておくだけで、納品後の保守負荷が大きく変わります。

③セキュリティの責任範囲

オープンソースCMSの場合、セキュリティ対策は基本的に利用者自身の責任です。本体やプラグインの脆弱性情報を追い、アップデートを適時適用する必要があります。一方、商用ライセンス型やSaaS型のCMSでは、開発元がセキュリティアップデートを提供し、脆弱性への対応もベンダー側で行うケースがあります。

セキュリティの責任をどこまで自社で負うのか、どこからベンダーに任せられるのか。この線引きを明確にしておくと、クライアントへの説明もしやすくなりますし、保守契約の設計にも役立ちます。

④日本語サポートと開発元との距離感

海外製のCMSは選択肢が豊富ですが、実務で使う際には「困ったときにすぐ解決できるか」が意外と重要です。公式ドキュメントが日本語で整備されているか、日本語でサポートに問い合わせられるか、ユーザーコミュニティが国内にあるか。機能比較の表には現れにくいものの、実際の運用で差が出やすい部分です。

特に、開発元に要望や不具合報告を直接伝えられる関係性は、長期的にCMSを使い続けるうえで大きな安心材料になります。

⑤ライセンス費用とクライアントへの説明しやすさ

CMSの費用体系は、無料(オープンソース)、月額制(SaaS型)、買い切り、サブスクリプションなど、さまざまです。制作会社が気にすべきなのは自社のコストだけでなく、「クライアントにどう説明するか」という観点です。

WordPressは「無料で使えるCMS」という認知が広いため、別のCMSを提案するとき「なぜ無料のWordPressではないのか」と聞かれることがあります。このとき、ライセンス費用の対価として何が得られるのかを明確に伝えられるかどうかが提案の成否を分けます。「プラグイン管理が不要になり保守コストが下がる」「開発元のサポートでセキュリティリスクが低減する」など、費用対効果の文脈で伝えると、納得感を得やすくなります。

主要WordPress代替CMSの比較。案件タイプ別の向き不向きは?

ここからは、制作会社が検討対象にしやすい代表的なCMSを取り上げ、前章の5つのチェックポイントに沿って比較していきます。

この比較の目的は「どのCMSが一番か」を決めることではありません。それぞれに得意な領域があり、案件の特性や自社の体制によって最適解は変わります。「どんな案件に、どのCMSが合いやすいか」という視点で読み進めてください。


WordPress Movable Type ヘッドレスCMS STUDIO / Wix a-blog cms
構築スキル PHP / テーマ開発 Perl / MTML JavaScript / API実装 ノーコード HTML / CSS
標準機能 プラグインで拡張が前提 比較的充実 コンテンツ管理に特化 テンプレートでカバー SEO・フォーム等を標準搭載
セキュリティ 自己管理 自己管理(攻撃面は小) ベンダー管理 ベンダー管理 開発元が提供
日本語サポート コミュニティ中心 国産・法人サポートあり 国産あり(microCMS等) 日本語対応あり 国産・直接相談可
費用 無料 有料(買い切り/サブスク) 無料プランあり・従量課金 無料プランあり・商用は有料 有料(買い切り/サブスク)
得意な案件 大規模メディア、EC セキュリティ重視の企業サイト マルチチャネル配信 LP・小規模サイト 中小規模の企業サイト

では、各CMSについてもう少し詳しく見ていきましょう。

Movable Type 静生成による安定性が強み

Movable Typeは、シックス・アパート社が提供する国産CMSです。最大の特徴は「静的生成」に対応している点でしょう。あらかじめHTMLファイルを書き出しておく仕組みのため、表示速度が速く、サーバーへの負荷が小さい。外部からの攻撃対象になりにくいというセキュリティ上のメリットもあり、官公庁や金融機関での採用実績が多いのはそのためです。

一方、テンプレートの構築にはMTML(Movable Type Markup Language)という独自の記述言語を使うため、学習コストは発生します。ライセンス費用が必要なことと、動作環境としてPerl環境の準備が求められることも、導入前に確認しておくべき点です。セキュリティと表示速度を最優先にしたい案件で力を発揮するCMSです。

ヘッドレスCMS(microCMS等) 表示の自由度は高いが、エンジニアが必須

近年注目を集めているのが、microCMSやContentfulに代表されるヘッドレスCMSです。コンテンツの管理と表示を完全に分離しており、API経由でデータを取得するため、Webサイトだけでなくアプリやデジタルサイネージなど複数チャネルへの配信が可能です。

表示側の自由度が非常に高い反面、フロントエンドの実装はすべて自前で行う必要があります。Next.jsやNuxt.jsなどのJavaScriptフレームワークを扱えるエンジニアが社内にいることが前提です。

注意したいのは、「PHPエンジニアがいないから」という理由でヘッドレスCMSを選んでも、ハードルが下がるとは限らない点です。PHPの代わりにAPI連携やフロントエンド実装のスキルが求められるため、エンジニア不在の制作会社にはむしろ要求が上がることもあります。フロントエンドに強いチームには魅力的な選択肢ですが、自社の体制とよく照らし合わせて判断してください。

STUDIO / Wix— ノーコードで手軽だが、制作会社の「制作力」が活きにくい

STUDIOやWixは、コードを書かずにWebサイトを構築できるノーコードツールです。直感的な操作でページを組み立てられるため、制作スピードが速く、小規模なサイトやLPなら短期間で公開できます。

ただし、制作会社がクライアントから制作費用をいただいて構築するという文脈では、少し相性が異なります。テンプレートの枠組みの中でデザインを調整する形になるため、独自デザインや複雑な導線設計といった制作会社ならではの付加価値を発揮しにくい面があります。また、プラットフォームの料金体系や機能がサービス側の判断で変わるため、長期の運用計画が立てにくいと感じることもあるかもしれません。

クライアントが自走できるサイトを提案する場面では有力ですが、構築力で差別化したい案件には別のCMSが適しています。

a-blog cms— HTML/CSSベースの構築とクライアント運用のバランス型

a-blog cmsは、名古屋のアップルップルが開発・提供する国産CMSです。
特徴を一言で表すなら、「制作会社の構築しやすさ」と「クライアントの更新しやすさ」のバランスを重視した設計です。

構築面では、テンプレートをHTML/CSSベースで作成できます。PHPやJavaScriptの専門知識がなくても、デザイナーやコーダーが直接テーマを組むことが可能です。WordPressのようにPHPのテンプレートタグを書く必要はなく、独自のタグを使ってHTMLファイルの中にCMSの機能を埋め込む仕組みになっています。

運用面では、ブラウザ上でサイトの表示画面をそのまま編集できる「見たまま編集」が標準搭載されています。クライアントのWeb担当者が専門知識なしで日常的な更新を行えるため、「更新の仕方がわからない」という問い合わせの削減につながります。

また、問い合わせフォーム、SEO設定、画像のWebP自動変換、レスポンシブ対応といった機能がプラグインなしで使えるのも、保守工数を抑えるポイントです。

一方で、WordPressのような圧倒的なテーマやプラグインの数はありません。大規模なECサイトや、プラグイン資産を前提とした複雑な要件がある案件では、WordPressのほうが適している場合もあります。

a-blog cmsが力を発揮するのは、クライアントが自ら更新するサイトで、PHPエンジニアなしで構築・保守を回したい案件です。万能ではありませんが、こうした条件が揃う案件にはよくフィットする選択肢です。

まとめ

この記事では、WordPressの代替CMSを「乗り換え先」としてではなく、「使い分けの選択肢」としてお伝えしてきました。

WordPressは今も優れたCMSです。ただ、すべての案件に同じCMSを使い続けることで生まれるミスマッチがあるのも事実です。大切なのは、案件の特性と自社の体制に合わせて、根拠を持ってCMSを選べる判断基準を持つこと。この柔軟さが、制作会社としての競争力につながります。

PHPエンジニアなしで構築できて、クライアントが直感的に更新できるCMSを探しているなら、選択肢の一つとしてa-blog cmsを検討してみてください。30日間無料で試せるテスト環境も用意されていますので、まずは実際に触ってみることで、自社の体制に合うかどうかを確かめていただければと思います。


バイブコーディング時代に a-blog cms が再評価される理由。 Gemini 3 / Nano Banana Pro で変わるWeb制作

「コーディング」の定義が、ここ数ヶ月で完全に変わってしまったと感じていないでしょうか?

OpenAIの創設メンバーである Andrej Karpathy(アンドレイ・カーパシー)氏が提唱した 「Vibe Coding(バイブコーディング)」 という言葉が、今のWeb制作の現場を的確に表しています。文法や構文を人間が細かく気にするのではなく、自然言語で「Vibe(ノリ・雰囲気)」を伝えれば、AIがそれを形にしてくれる。

特に、画像生成を得意とする Nano Banana Pro と、そのデザインを正確にコードに落とし込む Gemini 3 という「最強の相棒たち」が揃った今、Web制作のフローは劇的に進化しました。

デザインもコードもAIが生成できるようになった今だからこそ、あえて HTMLファーストなCMS「a-blog cms」 を選ぶメリットについて解説します。

生成AI のアウトプットは「ノーコードCMS」は扱いづらい?

これまで、Web制作のトレンドは「コードを書かない」ノーコードCMSへと流れていました。 しかし、皮肉なことにAIの進化によって、ノーコードCMSの「GUI(管理画面)」が逆にボトルネックになりつつあります。

ノーコードCMS の進化は、制作会社の「脅威」になるか?

今、いくつかのノーコードCMSに「AI自動生成機能」が搭載され始めています。 「AIに頼めばサイトができる」──これは一見便利ですが、Web制作のプロにとっては 「クライアントが自分で作れてしまう」 ということを意味します。ツールの中で完結するAI機能は、基本的に汎用的なテンプレートの組み合わせであり、誰がやっても似たような結果になりがちです。

プロとして対価をいただく以上、 「クライアントが自分では作れないクオリティ」 を提供する必要があります。しかし、従来のノーコードツールで細部にこだわろうとすると、結局は管理画面での複雑な設定作業(GUI操作)が必要になり、AIのスピード感を活かせないというジレンマがありました。

AIにとって、GUI操作は「まどろっこしい」

もちろん、最近ではブラウザを操作できるAIエージェントも登場し始めています。しかし、「AIにマウスを持たせて、人間と同じようにポチポチ操作させる」のは、バイブコーディングのスピード感とは対極にあります。

AIの「母国語」はテキスト(コード)です。 母国語で直接やり取りできる「コード」ベースの構築こそが、AIのポテンシャルを最大化し、 ノーコードツールでは到達できない「オーダーメイドの品質」 を最速で生み出すルートなのです。


国内シェア 83% の巨人、WordPress と フルサイト編集の「壁」

Web制作について語る上で、国内シェア 83% とも言われる WordPress の存在は無視できません。 現在、開発元の Automattic社は、Wix や Squarespace といった競合に対抗するため、 「完全なノーコードツール化」 へと大きく舵を切っています。

しかし、皮肉なことに、この「人間にとっての使いやすさ」を追求した進化が、「AIによるバイブコーディング」との相性という点では、巨大な「壁」になっています。

目指しているのは「Wix化」。だからコードを隠す

最新の「フルサイト編集(FSE)」では、PHPテンプレートを極力使わず、すべてを管理画面上のブロック操作で完結させようとしています。 これはつまり、 裏側のコード(HTML/CSS)を徹底的に隠蔽し、ブラックボックス化する方向 に進んでいるということです。

一方、 Gemini 3 が出力するのは、Web標準の素直な「HTML」と「CSS」です。 AIが出力したコードを WordPress に組み込もうとすると、 「コードを隠したがるシステム」対「コードを書きたいAI」 というミスマッチが起きます。

次期バージョンでも、この溝は埋まらない

2025年末リリース予定の WordPress 6.9 などのロードマップを見ても、その方向性は変わりません。開発の主軸は「管理画面での共同編集」など、あくまで GUI(マウス操作)の強化 にあります。

AIが一瞬でHTMLを書いてくれても、それを WordPress に実装するには、人間が「Reactベースのブロック」や「独自JSON」へと、長い時間をかけて翻訳し直さなければなりません。 「ノーコード化」を急ぐあまり、AI時代に最も重要な「コードの透明性」を失いつつある。これが、シェアNo.1 CMS の現状なのです。


HTMLファーストこそが、AIリレーの「最終走者」

ここで再評価されているのが、a-blog cms のような「HTMLファースト」なアーキテクチャです。なぜなら、 「AIが書くコード(標準HTML)」と「a-blog cms が読むコード(テンプレート)」が、100% イコールだから です。

1. 「変換ロス」がゼロ。AIのコードを直に駆動する

多くのCMSは、データを出力するために、独自のテンプレート言語やプログラミング言語(PHPの配列処理や Reactコンポーネント)の中にHTMLを「埋め込む」構造になっています。つまり、AIが生成したHTMLを、一度バラバラに解体して、CMSの都合に合わせて組み直す「移植手術」が必要でした。

しかし、a-blog cms は逆です。「普通のHTMLファイル」が主役であり、CMSの実装作業はあくまで ` のようなコメントタグを追加したり、テキストを {title}` のような変数に置き換えるだけ。

  • 他社CMS: システムの中に、HTMLを取り込む(要変換)
  • a-blog cms: HTMLの中に、システム機能(タグ・変数)を置く(変換不要)

この主従関係の違いが決定的です。AIが出力した美しい DOM構造を一切破壊することなく、そのまま動的コンテンツとして駆動させることができる。これが「HTMLファースト」の真価です。

2. デザイン(画像) → コード → CMS の直通パイプライン

このアーキテクチャにより、 Nano Banana Pro が描いた「理想のUI」を、 Gemini 3 が「HTML(静的なWebサイト)」として具現化し、a-blog cms がそれを 「運用可能なシステム」 へと昇華させるまでの流れが、一本の直線で繋がります。

WordPress のブロック開発のように Reactへリファクタリングする必要もなければ、ノーコードツールのように GUI で再構築する必要もありません。 AIたちが作り上げた、従来のツールでは表現不可能だった独創的なクリエイティブも、一切の劣化なく、静的なHTMLをそのままテンプレートとして利用できる。

まさに、AIから受け取ったバトンを、1ミリも減速することなくゴール(公開)まで運ぶことができる 「リレーの最終走者(アンカー)」 としての役割を果たせるのです。


## 実践:AI × a-blog cms の爆速ワークフロー

実際の制作フローは、これまでの常識とは全く異なります。

1. **Vibe Design (Nano Banana Pro)**
「近未来的なテック企業の採用サイト。ネオンカラーのグラデーションを使って」と指示し、デザイン画像を生成。
2. **Vibe Coding (Gemini 3)**
生成された画像をGemini 3 にアップロードし、「このデザインをHTML/Tailwind CSSで再現して。ホバー時のアニメーションもつけて」と指示。
3. **a-blog cms 化**
出力されたコードをコピペし、テキスト部分を `{title}` などのCMSタグに置き換える。

言葉だけでは伝わりにくいかもしれないので、実際のコードを見てみましょう。 例えば、 **Gemini 3** に **「Alpine.js を使って、クリックで開閉するアコーディオンUIを作って」** と指示した場合の比較です。

### Gemini 3 が出力したコード (Tailwind CSS + Alpine.js)

AIはロジックを含んだ完璧なHTMLを書いてくれます。

```html
<div x-data="{ open: false }" class="border-b py-4">
 <button @click="open = !open" class="flex justify-between w-full font-bold">
     <span>募集職種:UIデザイナー</span>
     <span x-text="open ? '-' : '+'"></span>
 </button>
 <div x-show="open" class="mt-2 text-gray-600">
     <p>勤務地:東京本社 / 年収:500万〜</p>
 </div>
</div>
```

これを a-blog cms 化するのは、HTMLタグやJSのロジックを一切壊さず、ただ変数に置き換えるだけです。

### a-blog cms 化したコード

```html
<div x-data="{ open: false }" class="border-b py-4">
 <button @click="open = !open" class="flex justify-between w-full font-bold">
     <span>募集職種:{title}</span> <span x-text="open ? '-' : '+'"></span>
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 <div x-show="open" class="mt-2 text-gray-600">
     <p>勤務地:{location} / 年収:{salary}</p>
 </div>
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ご覧の通り、`x-data` や `@click` といった JavaScript (Alpine.js) の記述には一切触れず、中身のテキストを変数 `{title}` などに変えただけです。

React や Vueベースの CMS や、独自記法が必要なツールでは、こう単純にはいきません。 「AIの書いた生のコード」がそのまま動く。これが HTMLファーストの強さです。

これまでは「デザインを再現する技術力」が壁でした。 これからは **「AIが描いてAIが書いたものを、素直に受け入れるCMS」** を選ぶだけで、誰でもハイエンドなWebサイトを作れるようになります。


まとめ:CMSは「AIの出力」を受け入れる「器」になる

Nano Banana Pro が描く 「夢(デザイン)」 を、 Gemini 3「現実(コード)」 にし、a-blog cms がそれを 「ビジネス(運用)」 として定着させる。

この3つの連携こそが、これからのWeb制作のニュースタンダードです。「HTMLを書く」という最大の参入障壁が消滅した今、Web標準の技術をそのまま扱え、クライアントが更新しやすいシステムへとスムーズに変換できる a-blog cms は、AI時代のクリエイティブを支える最強のプラットフォームと言えるのではないでしょうか。



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