成果が出るホームページの作り方。Web制作会社が公開前に決めたい4つのこと
「リニューアルしたのに、問い合わせが増えない」
納品から数か月後、クライアントからこのように言われた経験はないでしょうか。
デザインは新しくなり、表示速度や操作性も改善した。それでも、問い合わせや資料請求などの成果が増えるとは限りません。
ホームページの成果には、流入数、商品やサービスの内容、価格、営業対応など、サイト以外の要因も関係します。そのため、制作会社が成果そのものを保証することはできません。
一方で、公開後の状況を計測し、課題を確認して改善できるようにしておくことは可能です。
そのためには、公開前に次の4つを決めておく必要があります。
何をCVとするか
誰がどこまで更新するか
公開後に何を計測するか
誰が分析し、改善するか
この記事では、成果につなげるためにWeb制作会社が検討しておきたい項目と、GA4やGTMを使った計測方法を紹介します。
ホームページの「成果」はサイトの目的によって変わる
「成果が出るホームページにしたい」と相談されたら、まず確認したいのは、クライアントがホームページに何を期待しているかです。
ホームページの成果は、問い合わせだけではありません。サイトの種類や目的によって、CVとして設定すべき行動は変わります。
サイトの種類 | 主要CVの例 | 中間CVの例 |
BtoBサイト | 問い合わせ、見積依頼 | 資料ダウンロード、導入事例の閲覧、料金ページへの到達 |
店舗サイト | 予約、電話 | 電話番号のタップ、地図の表示、予約サイトへの遷移 |
採用サイト | 応募 | 募集要項の閲覧、社員紹介の閲覧、応募ページへの到達 |
ポータルサイト | 外部サイトへの送客 | 詳細ページの閲覧、絞り込みの利用、外部リンクのクリック |
メディアサイト | 会員登録、広告収益 | 記事の読了、サイト内回遊、メールマガジン登録 |
問い合わせ完了だけを計測していると、検討途中の行動を把握できません。一方、PVや滞在時間だけを見ても、事業への貢献度は判断しにくいでしょう。
主要CVと、そこに至るまでの中間CVを分けて設定すると、公開後に確認すべき数値が明確になります。
公開前に決めておきたい4つの項目
1.主要CVと中間CVを決める
最初に、サイト上でユーザーに取ってほしい行動を整理します。
検討期間が長いBtoBサイトでは、初回訪問から問い合わせまで進むユーザーは多くありません。問い合わせだけをCVにすると、資料ダウンロードや導入事例の閲覧といった検討途中の行動を評価できなくなります。
そこで、CVを次の2段階に分けます。
主要CV:問い合わせ、予約、応募、購入など、事業成果に近い行動
中間CV:資料ダウンロード、電話番号のタップ、重要ページへの到達など、主要CVにつながる行動
主要CVと中間CVを決めたうえで、それぞれをどのように計測するか設計します。
2.CMSで更新する範囲と担当者を決める
次に、公開後の更新範囲と担当者を決めます。
すべての更新を制作会社が担当するのか、お知らせや導入事例はクライアントが更新するのか。CTAやFAQも管理画面から変更できるようにするのか。公開後の運用を想定し、CMSで管理する範囲を整理します。
判断する際は、次の点を確認します。
更新頻度はどの程度か
制作会社とクライアントのどちらが更新するか
文言や画像だけを変更するのか、レイアウトも変更するのか
誤操作した場合の影響は大きいか
計測結果を受けて変更する可能性があるか
すべてのページや要素をCMSで更新できるようにする必要はありません。更新する部分と、テンプレート側で固定する部分を分けたほうが、運用しやすくなる場合もあります。
3.公開後に計測する項目を決める
GA4を導入していても、改善に必要なデータがすべて自動的に取得できるわけではありません。
公開前に、主要CVと中間CVに対応するイベントを整理し、GA4の拡張計測で取得するものと、GTMなどで個別に設定するものを決めておきます。
計測する行動 | 確認できること | 主な計測方法 |
問い合わせ・予約の完了 | 主要CVの件数 | 完了ページの閲覧、または送信成功時のイベント |
電話番号のタップ | 電話による問い合わせ意向 | GTMなどでクリックを計測 |
メールリンクのクリック | メールによる問い合わせ意向 | GTMなどでクリックを計測 |
資料のダウンロード | 資料への関心 | GA4計測、またはURL形式に応じた追加設定 |
外部予約サイトなどへの遷移 | 外部サイトへの送客数 | GA4計測またはGTM |
CTA・バナーのクリック | CTAや訴求内容への反応 | classやdata属性を使ってGTMで計測 |
記事の読了 | 記事が最後まで読まれたか | スクロールイベント |
サイト内検索 | ユーザーが探している情報 | GA4拡張計測または検索イベント |
取得できるデータを増やすこと自体が目的ではありません。改善の判断に使用するデータを選び、イベント名やパラメータの命名ルールも含めて設計しておくと、公開後の分析がしやすくなります。
4.分析と改善の担当者を決める
計測環境を用意しても、分析や改善の担当者が決まっていなければ、継続的な運用にはつながりません。
公開前に、次の役割を確認しておきます。
誰が数値を確認するか
どの頻度で確認するか
誰が改善案を作成するか
誰が修正内容を決定するか
誰が実装するか
たとえば、「3か月に一度、制作会社が主要CVと離脱箇所を確認し、改善案を提出する」など、実施内容と頻度を具体的に決めます。
アクセスレポートの提出だけでなく、数値をもとに改善案を出すところまで業務に含める場合は、保守と運用支援の範囲も分けておくと、クライアントとの認識を合わせやすくなります。
計測設計がないと改善の優先順位を決めにくい
リニューアル後に問い合わせが増えなかった場合、計測設計がなければ原因を切り分けられません。
考えられる原因には、次のようなものがあります。
サイトへの流入が少ない
想定しているターゲットが流入していない
サービスページからCTAへ進んでいない
CTAをクリックしたあと、フォームを開始していない
フォームの入力途中で離脱している
原因によって、必要な改善は異なります。流入が少なければ集客施策を見直し、CTAのクリック率が低ければページの訴求や導線を確認します。フォーム内の離脱が多ければ、入力項目やエラー表示などを確認します。
各段階の数値を取得しておくことで、どこから確認するかを決めやすくなります。
問い合わせフォームは前後の導線も含めて分析する
問い合わせフォームは成果に近く、改善効果を検証しやすい箇所です。ただし、問い合わせが少ないからといって、フォーム内に問題があるとは限りません。
フォームに到達する前も含めて、次のように分けて確認します。
離脱が多い区間ごとに、確認する内容を変えます。
サービスページ閲覧 → CTAクリック:訴求内容、CTAの文言・位置、ページ内の導線
CTAクリック → 入力開始:フォーム直前の説明、入力の所要時間、個人情報の取り扱い、ページの表示状態
入力開始 → 確認:必須項目、入力例、エラー表示、スマートフォンでの操作性
確認 → 完了:確認画面の内容、送信ボタン、戻る操作
フォームの項目数を変更する前に、どの区間で離脱が多いかを確認することで、修正対象を絞り込めます。
GA4でフォームの離脱を確認する方法
フォームの計測方法は、入力・確認・完了画面のURL構造によって異なります。
入力・確認・完了でURLが分かれる場合
各ページのpage_viewを使い、GA4の「探索」にある「目標到達プロセスデータ探索」でファネルを作成できます。
入力、確認、完了の各ページパスをステップとして指定すると、ステップごとの通過数や放棄率を確認できます。完了ページの閲覧を条件に問い合わせ完了用のイベントを作成し、キーイベントとして設定することも可能です。
同じURLのまま画面が切り替わる場合
同じURLのままJavaScriptなどで表示が切り替わるフォームは、page_viewだけでは各ステップを区別できません。
GTMやフォーム側の処理を使い、次のようなイベントを送信します。
フォーム入力開始
確認画面の表示
送信成功
完了数には、送信ボタンのクリック数ではなく、正常に送信された件数を使用します。完了ページの表示や送信成功時のイベントを基準にすると、入力エラーや送信失敗を完了として数えることを避けられます。
サイト運用と改善の進め方をまとめた資料3点セットをご用意しています。
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改善しやすいサイト構造を制作時に考える
計測によって課題が分かっても、修正に時間や費用がかかる構造では、改善施策を継続しにくくなります。
たとえば、公開後には次のような修正が発生します。
CTAの文言を変更する
フォームの入力項目を減らす
導入事例の表示順を変える
バナーを差し替える
計測用のclassやdata属性を追加する
制作時には、次の点を確認しておくとよいでしょう。
更新頻度の高い箇所を管理画面から変更できるか
HTMLの任意の要素にclassやdata属性を付けられるか
CTAや表示件数、並び順を変更しやすいか
ページ固有の情報を計測用データとして出力できるか
クライアントが更新する部分と、制作会社が管理する部分を分けられるか
管理画面からすべて変更できるようにするのではなく、公開後に変更する可能性が高い部分を選んでCMS化することが重要です。
カテゴリや記事ごとの成果をGA4で分析する
イベント数やフォーム完了数に加えて、記事カテゴリ、執筆者、商品種別、物件種別、求人職種などの情報をGA4へ送信すると、コンテンツ単位で分析できます。
たとえば、次のような確認が可能になります。
どのカテゴリの記事を閲覧したユーザーが問い合わせているか
どの施工事例から資料請求につながっているか
どの求人職種で応募ページへの遷移が多いか
どのCTAがクリックされているか
実装時は、テンプレートからページ固有の情報を取得し、dataLayerを通じてGTMへ渡します。GA4へイベントパラメータとして送信し、必要に応じてカスタムディメンションへ登録します。
これにより、PVの多い記事を確認するだけでなく、CVや中間CVとの関係をコンテンツの種類ごとに比較できます。記事制作や導入事例の追加など、次の施策を検討する際の判断材料にもなります。
a-blog cmsで計測と改善を実装しやすい理由
a-blog cmsは、HTMLをベースにテンプレートを作成できるCMSです。CMS独自の記述はHTMLコメント形式で追加するため、元のHTML構造を大きく変更せずにCMS化できます。
計測や改善に関しては、次のような実装が可能です。
HTMLの任意の要素に計測用のclassやdata属性を記述する
テンプレートからカテゴリやカスタムフィールドの値を出力する
更新する部分と静的なHTMLとして残す部分を分ける
AIコーディングツールで作成したHTMLを活用する
フォームを複数ステップで構成する
フォームの計測方法は、実装時のURL構造に合わせて設定します。
また、a-blog cmsのメディア機能が出力するダウンロードURLは、ファイルの拡張子を含まない形式になる場合があります。その場合、GA4の拡張計測ではファイルダウンロードとして取得されないため、GTMで追加設定を行います。
CMSを選定する際は、更新機能だけでなく、計測タグの追加や公開後の修正を行いやすいかという点も確認しておくとよいでしょう。
AIで作成したHTMLを活用したCMS化については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
公開後の運用まで含めてリニューアルを設計する
ホームページのリニューアルでは、デザイン、表示速度、更新のしやすさなど、公開までに検討すべき項目が多くあります。
成果につなげるためには、公開後の運用についても事前に決めておく必要があります。
何をCVとするか
誰がどこまで更新するか
公開後に何を計測するか
誰が分析し、改善するか
この4つが決まっていれば、公開後のレポートもPVやセッション数の報告だけで終わりません。
「サービスページからCTAへの遷移率が低い」「フォームの入力画面で離脱が多い」など、具体的な数値をもとに改善案を検討できます。修正後の数値を再度確認することで、施策の効果も判断できます。
リニューアルの要件定義に、公開後の計測と改善の進め方も含めておきましょう。
a-blog cmsの資料とお試し環境
計測の実装や、公開後に修正しやすいCMSを検討している方に向けて、a-blog cmsの資料とお試し環境をご用意しています。
資料で確認したい方
a-blog cmsの概要と、導入・運用の進め方が分かる資料3点セットです。
実際の管理画面を確認したい方
ブラウザ上でa-blog cmsをお試しいただけます。
無料のお試し環境をつくる
ウェブ制作会社アップルップル代表。2000年に日記のCGIを公開、2004年にはブログを開発。四半世紀にわたりWebサイトを更新するシステムに関わり続けてきました。自社開発CMS「a-blog cms」は5,000サイト以上で採用され、現場視点のUI改善や勉強会の開催にも取り組んでいます。
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